ひとごろしのいえ
- minus888

- 2017年3月24日
- 読了時間: 1分
だれかおれのいえに押し入って
刃物を突きつけぎらぎらした眼で
酒を呑む金を寄越せ
煙草を飲む金を寄越せ
賭博に賭ける金を寄越せと
宵の口の欄干から
二、三分にいちど線路の震える音がする
朝には黄色い菜の花を
夜には雪洞提灯を
高層から見下ろす硝子戸は
錠前もなく無防備で
ああ玄関の錠前ひとつ
落とし忘れたやもしれぬ
悪意のひとよ
ここに無防備な家がある
おんなひとりしか寝ていない
奪う気になれば何でも奪える
線路が鳴る音で
悲鳴さえ搔き消えよう
ああだれか
コメント